unstack関数の基本的な使い方
Pandasのunstack
関数は、階層的なインデックスを持つデータフレームやシリーズから、新たなデータフレームを生成します。この関数は、特に「積み上げられた」データ(つまり、複数のカテゴリにわたる測定値が一列に並んでいるデータ)を「展開」するのに便利です。
基本的な使い方は以下の通りです:
df.unstack()
ここで、df
は対象となるデータフレームです。
unstack
関数は、データフレームの最後のレベル(デフォルトでは最も内側のレベル)を列に展開します。異なるレベルを展開したい場合は、そのレベルの番号または名前を引数として渡すことができます。
例えば、次のように使用します:
df.unstack(level=0)
df.unstack(level='state')
これらのコードは、それぞれ最も外側のレベル、および’state’という名前のレベルを列に展開します。
unstack
関数を使うと、データの構造を変更して、分析や可視化に適した形にすることができます。ただし、元のデータが適切に「積み上げられて」いること、つまり各組み合わせの値が一意であることが前提となります。そうでない場合、unstack
関数を適用するとデータが失われる可能性があります。この点には注意が必要です。
単一列と複数列構造でのunstack関数の適用
Pandasのunstack
関数は、単一列構造だけでなく、複数列構造にも適用することができます。これにより、より複雑なデータ構造を扱うことが可能になります。
単一列構造でのunstack関数の適用
単一列構造のデータフレームでは、unstack
関数はインデックスの最後のレベルを列に展開します。以下に例を示します:
import pandas as pd
# データフレームの作成
df = pd.DataFrame({
'A': ['one', 'one', 'two', 'two'],
'B': ['a', 'b', 'a', 'b'],
'C': range(4)
})
# インデックスの設定
df = df.set_index(['A', 'B'])
# unstack関数の適用
result = df.unstack()
このコードは、A
とB
の2つの列をインデックスとして設定し、unstack
関数を適用して新たなデータフレームresult
を生成します。
複数列構造でのunstack関数の適用
複数列構造のデータフレームでは、unstack
関数は各レベルを個別に列に展開します。以下に例を示します:
import pandas as pd
# データフレームの作成
df = pd.DataFrame({
'A': ['one', 'one', 'two', 'two'],
'B': ['a', 'b', 'a', 'b'],
'C': range(4),
'D': range(4, 8)
})
# インデックスの設定
df = df.set_index(['A', 'B'])
# unstack関数の適用
result = df.unstack()
このコードは、A
とB
の2つの列をインデックスとして設定し、unstack
関数を適用して新たなデータフレームresult
を生成します。この結果、C
とD
の2つの列がそれぞれ展開され、新たなデータフレームには複数のレベルを持つ列が生成されます。
以上のように、unstack
関数は単一列構造だけでなく、複数列構造にも適用することができます。これにより、より複雑なデータ構造を扱うことが可能になります。ただし、unstack
関数を適用する際には、元のデータが適切に「積み上げられて」いること、つまり各組み合わせの値が一意であることが前提となります。そうでない場合、unstack
関数を適用するとデータが失われる可能性があります。この点には注意が必要です。
unstack関数のパラメータ詳細
Pandasのunstack
関数は、以下の主要なパラメータを持っています:
DataFrame.unstack(level=-1, fill_value=None)
level : int, str, or list of these, default -1 (last level)
level
パラメータは、unstack操作の対象となるインデックスのレベルを指定します。デフォルトは最後のレベル(-1)です。レベルは整数で指定することも、インデックスの名前で指定することも可能です。また、複数のレベルをリストで指定し、一度にunstackすることもできます。
fill_value : scalar value, default None
fill_value
パラメータは、unstack操作によって新たに生成される欠損値を埋めるための値を指定します。デフォルトはNoneで、これは欠損値をそのまま保持することを意味します。具体的な値を指定すると、その値で欠損値が埋められます。
以上が、Pandasのunstack
関数の主要なパラメータの詳細です。これらのパラメータを適切に設定することで、unstack
関数の挙動を細かく制御し、データ分析のニーズに合わせてデータの形状を変更することができます。
unstack関数を使った具体的な例
以下に、Pandasのunstack
関数を使った具体的な例を示します。
まず、階層的なインデックスを持つデータフレームを作成します:
import pandas as pd
# データフレームの作成
df = pd.DataFrame({
'A': ['one', 'one', 'two', 'two'],
'B': ['a', 'b', 'a', 'b'],
'C': range(4)
})
# インデックスの設定
df = df.set_index(['A', 'B'])
このデータフレームは以下のようになります:
C
A B
one a 0
b 1
two a 2
b 3
次に、このデータフレームにunstack
関数を適用します:
result = df.unstack()
unstack
関数を適用した結果は以下のようになります:
C
B a b
A
one 0 1
two 2 3
このように、unstack
関数は階層的なインデックスを持つデータフレームから新たなデータフレームを生成します。この関数は、特に「積み上げられた」データ(つまり、複数のカテゴリにわたる測定値が一列に並んでいるデータ)を「展開」するのに便利です。