ヒストグラムとは

ヒストグラムは、データの分布を視覚的に表現するためのグラフです。データセット内の個々の数値がどの程度頻繁に出現するかを示します。具体的には、データを一定の間隔(ビンと呼ばれます)で分割し、各ビンに含まれるデータの数(またはデータポイント)を棒グラフで表示します。

ヒストグラムは、データの全体的な形状、中央値、モード、変動、外れ値など、データの分布についての情報を提供します。これらは、データ解析や統計的推論において重要な役割を果たします。

Pandasの plot.hist 関数を使用すると、データフレームやシリーズから直接ヒストグラムを生成することができます。この関数は、データの分布を迅速に理解するのに役立ちます。次のセクションでは、この関数の基本的な使用法について説明します。

Pandasのplot.hist関数の基本

Pandasの plot.hist 関数は、データフレームやシリーズからヒストグラムを描画するための関数です。基本的な使用法は以下の通りです。

df['column_name'].plot.hist(bins=10, alpha=0.5)

ここで、df はデータフレーム、'column_name' はヒストグラムを描画したい列の名前です。bins パラメータはビン(棒)の数を指定し、alpha パラメータはグラフの透明度を指定します。

この関数を呼び出すと、指定した列のデータ分布を表すヒストグラムが描画されます。ビンの数や透明度など、ヒストグラムの見た目を調整するためのさまざまなパラメータが用意されています。

次のセクションでは、これらのパラメータについて詳しく説明します。また、実際のデータセットを使って、どのように plot.hist 関数を使用するかを示します。この関数を使えば、データの分布を素早く把握し、データ分析を効率的に進めることができます。

plot.hist関数のパラメータ

Pandasの plot.hist 関数は、以下の主要なパラメータを持っています。

  1. bins: ビンの数を指定します。ビンの数が多いほど、ヒストグラムはより詳細になりますが、データのノイズも強調される可能性があります。逆に、ビンの数が少ないと、ヒストグラムはデータの大まかな分布を示します。

  2. range: ビンの範囲を指定します。このパラメータは、(最小値, 最大値) の形式で指定します。

  3. density: True に設定すると、ヒストグラムは密度推定となり、ビンの面積の合計が1になります。False に設定すると、ヒストグラムは頻度を示します。

  4. cumulative: True に設定すると、累積ヒストグラムが描画されます。累積ヒストグラムでは、各ビンがそのビンまでのデータポイントの合計を示します。

  5. alpha: ヒストグラムの透明度を指定します。0は完全に透明を意味し、1は完全に不透明を意味します。

これらのパラメータを適切に設定することで、データの特性をより詳細に理解することができます。次のセクションでは、これらのパラメータを使用して実際のデータセットからヒストグラムを描画する例を示します。

実例: データセットからヒストグラムを描画

以下に、Pandasの plot.hist 関数を使用してデータセットからヒストグラムを描画する具体的な例を示します。ここでは、Irisデータセットを使用します。このデータセットは、3種類のアヤメの花(setosa、versicolor、virginica)のがく片と花びらの長さと幅を測定したデータが含まれています。

まず、必要なライブラリをインポートし、データセットを読み込みます。

import pandas as pd
from sklearn.datasets import load_iris

iris = load_iris()
df = pd.DataFrame(iris.data, columns=iris.feature_names)

次に、plot.hist 関数を使用して、がく片の長さのヒストグラムを描画します。

df['sepal length (cm)'].plot.hist(bins=30, alpha=0.5)

このコードは、がく片の長さのデータ分布を表すヒストグラムを描画します。bins=30 は、データを30のビンに分割することを意味し、alpha=0.5 は、ヒストグラムの透明度を設定します。

このように、Pandasの plot.hist 関数を使用すると、データセットから直接ヒストグラムを描画することができます。これにより、データの分布を素早く把握し、データ分析を効率的に進めることができます。次のセクションでは、この記事をまとめます。

まとめ

この記事では、Pandasの plot.hist 関数を使用してデータセットからヒストグラムを描画する方法について説明しました。ヒストグラムは、データの分布を視覚的に表現する強力なツールであり、データ解析の初期段階でよく使用されます。

plot.hist 関数は、ビンの数、範囲、密度、累積表示、透明度など、ヒストグラムの見た目を調整するための多くのパラメータを提供しています。これらのパラメータを適切に設定することで、データの特性をより詳細に理解することができます。

また、Irisデータセットを使用した具体的な例を通じて、plot.hist 関数の使用法を示しました。この関数を使えば、データの分布を素早く把握し、データ分析を効率的に進めることができます。

Pandasは、データ分析を行うための強力なライブラリであり、その機能はヒストグラムの描画だけにとどまりません。データの読み込み、クリーニング、変換、集約、可視化など、データ分析の全てのステップをサポートしています。これらの機能を活用することで、データ分析の作業をより効率的に、より効果的に行うことができます。ヒストグラムの描画はその一部に過ぎませんが、データを理解する上で非常に重要なステップです。この記事が、その一助となれば幸いです。

投稿者 kitagawa

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