Pandasのcut関数の基本

Pandasのcut関数は、連続した数値データを指定したビン(範囲)に分割するための便利なツールです。これにより、数値データをカテゴリデータに変換することができます。

基本的な使用方法は以下の通りです:

pandas.cut(x, bins, right=True, labels=None, retbins=False, precision=3, include_lowest=False, duplicates='raise')

ここで、各パラメータの意味は以下の通りです:

  • x : これは分割する1次元配列です。
  • bins : これはビン(範囲)の数またはビンの境界値のリストです。
  • right : ビンの右側を閉じるかどうかを決定します。デフォルトはTrueです。
  • labels : ビンにラベルを付けるためのリストまたはFalseを指定します。Falseの場合、ビンのエッジが返されます。
  • retbins : Trueの場合、出力としてビンが返されます。
  • precision : ビンの精度を指定します。
  • include_lowest : 最初の間隔の左側を閉じるかどうかを決定します。
  • duplicates : ‘raise’または’drop’を指定して、ビンの境界値が重複している場合の動作を制御します。

この関数を使用すると、データを特定の範囲に基づいてカテゴリ化し、それに基づいて集計や分析を行うことができます。次のセクションでは、このcut関数をどのように使用するかについて具体的な例を見ていきましょう。

cut関数を使ったデータの区分け

Pandasのcut関数を使うと、連続的な数値データを特定の範囲に基づいてカテゴリ化することができます。これは、データをビン(範囲)に分割することで、データの分布を理解しやすくするための有用な手段です。

以下に、cut関数を使ってデータを区分けする基本的な例を示します:

import pandas as pd

# データの作成
data = pd.Series([1, 2, 3, 4, 5, 6])

# ビンの定義
bins = [0, 2, 4, 6]

# cut関数を使ってデータをビンに分割
categories = pd.cut(data, bins)

print(categories)

このコードを実行すると、以下のような出力が得られます:

0    (0, 2]
1    (0, 2]
2    (2, 4]
3    (2, 4]
4    (4, 6]
5    (4, 6]
dtype: category
Categories (3, interval[int64]): [(0, 2] < (2, 4] < (4, 6]]

この出力から、各データポイントがどのビンに属するかを確認することができます。たとえば、値1と2はビン(0, 2]に、値3と4はビン(2, 4]に、値5と6はビン(4, 6]に属しています。

このように、cut関数を使うと、データを特定の範囲に基づいて区分けし、それぞれのビンに何個のデータポイントが含まれているかを簡単に確認することができます。これは、データの分布を理解し、データ分析を行う上で非常に有用です。次のセクションでは、cut関数とsum関数を組み合わせて、より高度なデータ分析を行う方法について説明します。

sum関数との組み合わせ

Pandasのcut関数とsum関数を組み合わせることで、各ビンに属するデータの合計値を計算することができます。これは、特定の範囲に基づいてデータを集約し、その結果を分析するための強力な手段です。

以下に、cut関数とsum関数を組み合わせて使用する基本的な例を示します:

import pandas as pd

# データの作成
data = pd.DataFrame({
    'value': [1, 2, 3, 4, 5, 6],
    'weight': [0.1, 0.2, 0.3, 0.4, 0.5, 0.6]
})

# ビンの定義
bins = [0, 2, 4, 6]

# cut関数を使ってデータをビンに分割
data['categories'] = pd.cut(data['value'], bins)

# 各ビンのデータの合計値を計算
sums = data.groupby('categories')['weight'].sum()

print(sums)

このコードを実行すると、以下のような出力が得られます:

categories
(0, 2]    0.3
(2, 4]    0.7
(4, 6]    1.1
Name: weight, dtype: float64

この出力から、各ビンに属するデータのweightの合計値を確認することができます。たとえば、ビン(0, 2]に属するデータのweightの合計値は0.3、ビン(2, 4]0.7、ビン(4, 6]1.1です。

このように、cut関数とsum関数を組み合わせることで、データを特定の範囲に基づいて区分けし、それぞれのビンに何個のデータポイントが含まれているか、またそれらのデータポイントの合計値は何かを簡単に確認することができます。これは、データの分布を理解し、データ分析を行う上で非常に有用です。次のセクションでは、これらの関数を使用した具体的な使用例とその解説について説明します。

具体的な使用例とその解説

ここでは、Pandasのcut関数とsum関数を組み合わせた具体的な使用例とその解説を示します。この例では、ある商品の売上データを分析し、価格帯ごとの売上合計を計算します。

まず、以下のような商品の売上データを考えてみましょう:

import pandas as pd

# 商品の売上データ
data = pd.DataFrame({
    'price': [100, 200, 300, 400, 500, 600],
    'sales': [10, 20, 30, 40, 50, 60]
})

このデータでは、price列が商品の価格を、sales列がその商品の売上数を表しています。

次に、cut関数を使って商品の価格を以下の3つの価格帯に区分けします:

# 価格帯の定義
bins = [0, 200, 400, 600]

# cut関数を使って価格を価格帯に分割
data['price_range'] = pd.cut(data['price'], bins)

これで、price_range列が追加され、各商品がどの価格帯に属するかが分かります。

最後に、groupbyメソッドとsum関数を使って、各価格帯の売上合計を計算します:

# 各価格帯の売上合計を計算
sales_sum = data.groupby('price_range')['sales'].sum()

print(sales_sum)

このコードを実行すると、以下のような出力が得られます:

price_range
(0, 200]      30
(200, 400]    70
(400, 600]    110
Name: sales, dtype: int64

この出力から、各価格帯の売上合計を確認することができます。たとえば、価格帯(0, 200]の売上合計は30、価格帯(200, 400]70、価格帯(400, 600]110です。

このように、Pandasのcut関数とsum関数を組み合わせることで、データを特定の範囲に基づいて区分けし、それぞれのビンのデータの合計値を簡単に計算することができます。これは、データの分布を理解し、データ分析を行う上で非常に有用です。

投稿者 kitagawa

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