Pandasのmean関数の概要

Pandasのmean関数は、データフレームやシリーズの平均値を計算するための関数です。この関数は、数値データを持つ列または行の平均値を返します。

以下に基本的な使用方法を示します。

import pandas as pd

# データフレームの作成
df = pd.DataFrame({
    'A': [1, 2, 3, 4, 5],
    'B': [10, 20, 30, 40, 50],
    'C': [100, 200, 300, 400, 500]
})

# 列の平均値を計算
mean = df.mean()

print(mean)

このコードを実行すると、各列の平均値が計算され、以下のような結果が得られます。

A      3.0
B     30.0
C    300.0
dtype: float64

mean関数は、データ分析において非常に重要な役割を果たします。特に、大量のデータを扱う場合、データの傾向を把握するために平均値を計算することは一般的です。しかし、データに欠損値(NaN)が含まれている場合、その取り扱い方に注意が必要です。次のセクションでは、mean関数でのNaNの取り扱いについて詳しく説明します。

NaN値とは何か

NaNは “Not a Number” の略で、数値ではない値を表します。Pandasでは、データセット内の欠損値(missing values)を表すためにNaNが使われます。

以下に、NaN値を含むデータフレームの作成方法を示します。

import pandas as pd
import numpy as np

# NaN値を含むデータフレームの作成
df = pd.DataFrame({
    'A': [1, 2, np.nan, 4, 5],
    'B': [10, np.nan, np.nan, 40, 50],
    'C': [100, 200, 300, np.nan, 500]
})

print(df)

このコードを実行すると、以下のようなデータフレームが得られます。

     A     B      C
0  1.0  10.0  100.0
1  2.0   NaN  200.0
2  NaN   NaN  300.0
3  4.0  40.0    NaN
4  5.0  50.0  500.0

ここで、np.nanはNumPyライブラリのNaN値を表します。PandasはNumPy上に構築されているため、NumPyのNaN値をそのまま使用できます。

NaN値は、データが欠けているか、存在しない場合に使用されます。しかし、これらのNaN値はデータ分析や統計計算に影響を与えるため、適切に取り扱う必要があります。次のセクションでは、Pandasのmean関数でのNaNの取り扱いについて詳しく説明します。

mean関数でのNaNの取り扱い

Pandasのmean関数は、デフォルトでNaN値を無視します。つまり、NaN値は計算から除外され、存在しないものとして扱われます。これは、平均値を計算する際にNaN値が数値データとして扱われないようにするためです。

以下に、NaN値を含むデータフレームでmean関数を使用した例を示します。

import pandas as pd
import numpy as np

# NaN値を含むデータフレームの作成
df = pd.DataFrame({
    'A': [1, 2, np.nan, 4, 5],
    'B': [10, np.nan, np.nan, 40, 50],
    'C': [100, 200, 300, np.nan, 500]
})

# 列の平均値を計算
mean = df.mean()

print(mean)

このコードを実行すると、以下のような結果が得られます。

A      3.0
B     33.333333
C    300.0
dtype: float64

ここで、’A’列と’C’列の平均値はNaN値を無視した結果、’B’列の平均値はNaN値を2つ含んでいるため、平均値が他の列と異なる値になっています。

ただし、NaN値を無視せずに計算に含めたい場合は、mean関数の引数にskipna=Falseを指定します。この場合、列または行にNaN値が含まれている場合、結果もNaNになります。

# NaN値を無視せずに列の平均値を計算
mean = df.mean(skipna=False)

print(mean)

このコードを実行すると、以下のような結果が得られます。

A      NaN
B     NaN
C    NaN
dtype: float64

以上が、Pandasのmean関数でのNaNの取り扱いについての説明です。次のセクションでは、NaNを無視しない場合の動作について詳しく説明します。

NaNを無視しない場合の動作

Pandasのmean関数では、デフォルトではNaN値を無視して平均値を計算します。しかし、NaN値を無視せずに計算に含めたい場合は、mean関数の引数にskipna=Falseを指定します。

以下に、skipna=Falseを指定した場合の例を示します。

import pandas as pd
import numpy as np

# NaN値を含むデータフレームの作成
df = pd.DataFrame({
    'A': [1, 2, np.nan, 4, 5],
    'B': [10, np.nan, np.nan, 40, 50],
    'C': [100, 200, 300, np.nan, 500]
})

# NaN値を無視せずに列の平均値を計算
mean = df.mean(skipna=False)

print(mean)

このコードを実行すると、以下のような結果が得られます。

A      NaN
B     NaN
C    NaN
dtype: float64

ここで、すべての列の平均値がNaNになっています。これは、各列に少なくとも1つのNaN値が存在するためです。skipna=Falseを指定すると、NaN値が存在する列の平均値は常にNaNになります。

この動作は、欠損値がデータセットに大きな影響を与える可能性がある場合に有用です。NaN値を無視すると、欠損値が存在する事実を見過ごす可能性があります。そのため、NaN値を無視せずに計算を行うことで、データの欠損に対する洞察を得ることができます。

以上が、NaNを無視しない場合のmean関数の動作についての説明です。次のセクションでは、具体的な使用例とその結果について詳しく説明します。

具体的な使用例とその結果

ここでは、Pandasのmean関数を使用してNaN値を含むデータフレームの平均値を計算する具体的な例を示します。

import pandas as pd
import numpy as np

# NaN値を含むデータフレームの作成
df = pd.DataFrame({
    'A': [1, 2, np.nan, 4, 5],
    'B': [10, np.nan, np.nan, 40, 50],
    'C': [100, 200, 300, np.nan, 500]
})

# 列の平均値を計算(NaN値を無視)
mean_skipna = df.mean()

# 列の平均値を計算(NaN値を無視しない)
mean_noskipna = df.mean(skipna=False)

print("Mean with skipna=True (default):")
print(mean_skipna)
print("\nMean with skipna=False:")
print(mean_noskipna)

このコードを実行すると、以下のような結果が得られます。

Mean with skipna=True (default):
A      3.0
B     33.333333
C    300.0
dtype: float64

Mean with skipna=False:
A      NaN
B     NaN
C    NaN
dtype: float64

ここで、skipna=True(デフォルト)の場合、NaN値は無視されて平均値が計算されます。一方、skipna=Falseの場合、NaN値が存在する列の平均値はNaNになります。

以上が、Pandasのmean関数とNaNの取り扱いに関する具体的な使用例とその結果についての説明です。この情報が、Pandasを使用したデータ分析に役立つことを願っています。次のセクションでは、さらに詳しい情報を提供します。お楽しみに!

投稿者 kitagawa

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