この記事では、Ubuntu 20.04上でTensorFlowとGPUを活用するためのDocker環境の構築について説明します。TensorFlowは、機械学習や深層学習のためのオープンソースのソフトウェアライブラリで、GPUを活用することで計算速度を大幅に向上させることが可能です。しかし、その設定は複雑であり、特にLinux環境での設定は初心者にとっては難易度が高いかもしれません。そこで、この記事ではDockerを利用してTensorFlowとGPUを簡単に活用する方法を紹介します。Dockerは、アプリケーションとその依存関係をパッケージ化し、どの環境でも同じように動作するようにするためのオープンソースのプラットフォームです。これにより、TensorFlowとGPUの設定を一度行えば、それを再利用することが可能となります。本記事を通じて、読者の皆様がTensorFlowとGPUを活用した機械学習の世界への一歩を踏み出す助けとなれば幸いです。それでは、次のセクションでUbuntu 20.04とDockerのインストールから始めていきましょう。
Ubuntu 20.04とDockerのインストール
まずはUbuntu 20.04とDockerのインストールから始めます。Ubuntu 20.04は、最新のLTS(Long Term Support)バージョンで、5年間のサポートが保証されています。Ubuntuの公式ウェブサイトからISOイメージをダウンロードし、それを使用してUbuntuをインストールします。インストールが完了したら、次にDockerをインストールします。Dockerの公式ウェブサイトから最新の安定版をダウンロードし、それを使用してDockerをインストールします。Dockerのインストールが完了したら、Dockerが正しくインストールされ、動作していることを確認します。これは、ターミナルでdocker run hello-world
と入力し、”Hello from Docker!”というメッセージが表示されることで確認できます。これでUbuntu 20.04とDockerのインストールは完了です。次のセクションでは、NVIDIAドライバの設定について説明します。
NVIDIAドライバの設定
次に、NVIDIAドライバの設定について説明します。TensorFlowをGPUで動作させるためには、適切なNVIDIAドライバが必要です。まず、ターミナルでubuntu-drivers devices
と入力し、使用しているGPUに最適なドライバを確認します。その後、sudo apt install nvidia-driver-XXX
と入力し、XXXの部分に先ほど確認したドライバの番号を入力してインストールします。インストールが完了したら、nvidia-smi
と入力し、ドライバが正しくインストールされていることを確認します。これでNVIDIAドライバの設定は完了です。次のセクションでは、CUDAのインストールについて説明します。
CUDAのインストール
次に、CUDAのインストールについて説明します。CUDAは、NVIDIAのGPUを活用するためのプラットフォームで、TensorFlowのGPUサポートにはCUDAが必要です。まず、NVIDIAの公式ウェブサイトからCUDA Toolkitをダウンロードします。ダウンロードしたら、ターミナルでダウンロードしたディレクトリに移動し、sudo sh cuda_XXX_linux.run
と入力してインストールします。ここで、XXXの部分はダウンロードしたCUDA Toolkitのバージョンに置き換えます。インストールが完了したら、nvcc --version
と入力してCUDAが正しくインストールされていることを確認します。これでCUDAのインストールは完了です。次のセクションでは、Dockerの設定について説明します。
Dockerの設定
次に、Dockerの設定について説明します。Dockerを使用してTensorFlowとGPUを活用するためには、nvidia-docker2というパッケージが必要です。これは、DockerコンテナからNVIDIA GPUを直接利用するためのパッケージです。まず、ターミナルでdistribution=$(. /etc/os-release;echo $ID$VERSION_ID)
と入力し、Ubuntuのバージョンを確認します。次に、curl -s -L https://nvidia.github.io/nvidia-docker/gpgkey | sudo apt-key add -
と入力し、nvidia-dockerの公開鍵を追加します。その後、curl -s -L https://nvidia.github.io/nvidia-docker/$distribution/nvidia-docker.list | sudo tee /etc/apt/sources.list.d/nvidia-docker.list
と入力し、nvidia-dockerのリポジトリを追加します。最後に、sudo apt-get update && sudo apt-get install -y nvidia-docker2
と入力し、nvidia-docker2をインストールします。これでDockerの設定は完了です。次のセクションでは、TensorFlowのDockerイメージの取得と実行について説明します。
TensorFlowのDockerイメージの取得と実行
次に、TensorFlowのDockerイメージの取得と実行について説明します。まず、ターミナルでdocker pull tensorflow/tensorflow:latest-gpu
と入力し、TensorFlowの最新のGPU対応Dockerイメージを取得します。このコマンドは、Docker HubからTensorFlowの最新のGPU対応イメージをダウンロードします。ダウンロードが完了したら、docker run -it --rm --gpus all tensorflow/tensorflow:latest-gpu python
と入力し、取得したイメージを実行します。このコマンドは、取得したイメージを基に新たなDockerコンテナを作成し、その中でPythonを実行します。また、--gpus all
の部分は、ホストマシンの全てのGPUをコンテナから利用可能にします。これで、TensorFlowのDockerイメージの取得と実行が完了しました。これにより、TensorFlowとGPUを活用した機械学習の環境が整いました。次のセクションでは、まとめと次のステップについて説明します。
まとめと次のステップ
この記事では、Ubuntu 20.04上でTensorFlowとGPUを活用するためのDocker環境の構築について説明しました。具体的には、UbuntuとDockerのインストール、NVIDIAドライバとCUDAの設定、そしてTensorFlowのDockerイメージの取得と実行について説明しました。これにより、TensorFlowとGPUを活用した機械学習の環境が整いました。次のステップとしては、この環境を活用して具体的な機械学習のタスクに取り組むことをお勧めします。例えば、画像認識や自然言語処理などのタスクに挑戦することができます。また、TensorFlowの公式ウェブサイトには多くのチュートリアルがありますので、それらを参考にすると良いでしょう。この記事が、読者の皆様がTensorFlowとGPUを活用した機械学習の世界への一歩を踏み出す助けとなれば幸いです。それでは、Happy coding!