Boxplotとは

Boxplot(箱ひげ図)は、データの分布を視覚的に理解するための統計的なグラフです。以下の情報を一度に表示します:

  • 最小値:データセットの最小値。
  • 第一四分位数(Q1):データセットを昇順に並べたときに、下から25%の位置にある値。
  • 中央値(Q2またはメディアン):データセットを昇順に並べたときに、中央に位置する値。データセットの50%がこの値以下で、50%がこの値以上です。
  • 第三四分位数(Q3):データセットを昇順に並べたときに、下から75%の位置にある値。
  • 最大値:データセットの最大値。

これらの値は、Boxplotの「箱」と「ひげ」によって表現されます。箱はQ1からQ3までの範囲を表し、箱の中の線は中央値を示します。ひげは最小値から最大値までの範囲を示します。

Boxplotは、データの分布、中央値、四分位数、そして外れ値の存在を一目で把握することができるため、データ分析において非常に有用なツールです。また、複数のグループ間でデータの分布を比較する際にもよく用いられます。ただし、Boxplotはデータの平均やモード(最頻値)、個々のデータポイントについての情報は提供しません。それらの情報が必要な場合は、他の統計的手法やグラフを併用することが推奨されます。

PandasでのBoxplotの作成方法

Pandasライブラリを使用してBoxplotを作成する方法は非常に簡単です。まず、PandasとMatplotlib(グラフ描画ライブラリ)をインポートします。

import pandas as pd
import matplotlib.pyplot as plt

次に、データフレームを作成します。ここでは、ランダムな数値を含む簡単なデータフレームを作成します。

df = pd.DataFrame({
    'A': pd.Series(np.random.normal(0, 1, 100)),
    'B': pd.Series(np.random.normal(1, 2, 100)),
    'C': pd.Series(np.random.normal(2, 3, 100))
})

そして、データフレームの boxplot メソッドを使用してBoxplotを作成します。

df.boxplot(column=['A', 'B', 'C'])
plt.show()

このコードは、各列(’A’、’B’、’C’)のBoxplotを作成し、それを表示します。Boxplotはデータの分布を視覚的に理解するのに役立ちます。

なお、boxplot メソッドにはさまざまなオプションがあり、それらを使用してBoxplotの見た目をカスタマイズすることも可能です。詳細はPandasの公式ドキュメンテーションをご覧ください。

Pandas DataFrame boxplot

Boxplotの値の取得

Pandasを使用してBoxplotの値を取得する方法は以下の通りです。

まず、データフレームの各列に対して describe メソッドを使用します。これにより、各列の要約統計量(最小値、第一四分位数、中央値、第三四分位数、最大値など)が得られます。

df.describe()

このメソッドはデータフレームを返し、各列の要約統計量が行として表示されます。

ただし、この方法では外れ値の情報は得られません。外れ値はBoxplotにおいて「ひげ」の外側にプロットされる値で、通常はデータの第一四分位数から1.5倍の四分位範囲(IQR)を引いた値以下、または第三四分位数から1.5倍のIQRを足した値以上のデータを指します。

外れ値を含む完全なBoxplotの情報を取得するには、以下のように手動で計算する必要があります。

Q1 = df.quantile(0.25)
Q3 = df.quantile(0.75)
IQR = Q3 - Q1

min_val = Q1 - 1.5 * IQR
max_val = Q3 + 1.5 * IQR

ここで、min_valmax_valはそれぞれBoxplotの「ひげ」の最小値と最大値を表します。これらの値を超えるデータポイントは外れ値とみなされます。

以上がPandasを用いてBoxplotの値を取得する方法です。これらの情報を利用することで、データの分布や外れ値の存在についてより深く理解することが可能となります。ただし、これらの値はあくまで統計的な指標であり、データの全体像を把握するためには他の視覚的なツールや統計的な手法と併用することが推奨されます。

Boxplotの解釈と利用

Boxplotは、データの分布、中央値、四分位数、外れ値の存在を一目で把握することができる強力なツールです。以下に、Boxplotの解釈と利用について説明します。

  1. データの分布:Boxplotの「箱」はデータの中央50%を表し、その長さ(IQR)はデータの分散を示します。箱が長ければ長いほど、データは広く分散しています。

  2. 中央値:箱の中の線はデータの中央値を示します。これはデータの「中心」を示す指標であり、データがどの程度偏っているかを理解するのに役立ちます。

  3. 四分位数:箱の下端と上端はそれぞれ第一四分位数(Q1)と第三四分位数(Q3)を示します。これらはデータの「範囲」を示す指標であり、データの分布を理解するのに役立ちます。

  4. 外れ値:「ひげ」の外側にプロットされる点は外れ値を示します。外れ値は異常値やノイズとみなされることが多いですが、時には重要な情報を含むこともあります。外れ値の存在はデータの信頼性や精度に影響を与える可能性があるため、その扱いには注意が必要です。

Boxplotはこれらの情報を視覚的に表現することで、データの特性を迅速に理解するのに役立ちます。また、複数のグループ間でデータの分布を比較する際にも有効です。ただし、Boxplotはデータの平均やモード(最頻値)、個々のデータポイントについての情報は提供しません。それらの情報が必要な場合は、他の統計的手法やグラフを併用することが推奨されます。また、Boxplotはデータの分布が正規分布に従っているかどうか、またはデータに対称性があるかどうかを確認するのにも役立ちます。これらの情報は、データ分析や機械学習の前処理において重要な意味を持つことがあります。このように、Boxplotはデータ分析における強力なツールであり、その解釈と利用を理解することは非常に重要です。

投稿者 kitagawa

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