ビン分割とは
ビン分割は、データを一定の範囲(ビン)に分割する手法です。これは、データの分布を理解しやすくするためによく使われます。例えば、年齢データがある場合、10歳ごとのビンに分割することで、各年齢層の人数を簡単に把握することができます。
ビン分割は、ヒストグラムの作成や欠損値の補完など、データ分析において多くの場面で利用されます。また、ビン分割は特徴量エンジニアリングの一部としても使用され、機械学習モデルの性能を向上させることがあります。
pandasのcut
関数は、このビン分割を簡単に行うことができる機能を提供しています。次のセクションでは、このcut
関数の詳細と使用例について説明します。
pandas.cut関数の概要
pandasのcut
関数は、連続的な値を持つデータを指定したビンに分割するための関数です。この関数は、以下のような形式で使用します。
pandas.cut(x, bins, right=True, labels=None, retbins=False, precision=3, include_lowest=False, duplicates='raise')
ここで、各パラメータの意味は以下の通りです。
x
: ビン分割を行う1次元配列。bins
: ビンの境界値を指定する。整数を指定した場合、その数だけ等間隔のビンが作成される。配列を指定した場合、その配列の値がビンの境界値となる。right
: ビンの右側を閉区間(含む)にするかどうかを指定する。デフォルトはTrue。labels
: ビンにラベルを付ける場合に使用する。デフォルトはNoneで、この場合、ビンの範囲がラベルとなる。retbins
: Trueに設定すると、出力としてビンの境界値も返す。precision
: ビンの範囲を表すラベルの精度を指定する。デフォルトは3。include_lowest
: 最初の区間を閉区間(含む)にするかどうかを指定する。デフォルトはFalse。duplicates
: ‘raise’に設定すると、ビンの境界値が重複している場合にエラーを発生させる。’drop’に設定すると、重複を無視する。
この関数を使用することで、データを指定したビンに分割し、それぞれのデータがどのビンに属するかを簡単に判断することができます。次のセクションでは、この関数の具体的な使用例を見ていきましょう。
pandas.cut関数のパラメータ詳細
pandasのcut
関数は、以下のパラメータを持っています。
pandas.cut(x, bins, right=True, labels=None, retbins=False, precision=3, include_lowest=False, duplicates='raise')
各パラメータの詳細は以下の通りです。
-
x
: ビン分割を行う1次元配列を指定します。これは通常、数値データを含むpandasのSeriesやPythonのリストなどになります。 -
bins
: ビンの数またはビンの境界値を指定します。整数を指定した場合、その数だけ等間隔のビンが作成されます。配列を指定した場合、その配列の値がビンの境界値となります。 -
right
: ビンの右側を閉区間(含む)にするかどうかをブール値で指定します。デフォルトはTrueです。 -
labels
: ビンにラベルを付ける場合に使用します。デフォルトはNoneで、この場合、ビンの範囲がラベルとなります。 -
retbins
: Trueに設定すると、出力としてビンの境界値も返します。デフォルトはFalseです。 -
precision
: ビンの範囲を表すラベルの精度を指定します。デフォルトは3で、これは小数点以下3桁までの精度を意味します。 -
include_lowest
: 最初の区間を閉区間(含む)にするかどうかをブール値で指定します。デフォルトはFalseです。 -
duplicates
: ‘raise’に設定すると、ビンの境界値が重複している場合にエラーを発生させます。’drop’に設定すると、重複を無視します。デフォルトは’raise’です。
これらのパラメータを適切に設定することで、データを任意のビンに分割することが可能になります。次のセクションでは、具体的な使用例を見ていきましょう。
pandas.cut関数の使用例
以下に、pandasのcut
関数を使用した具体的な例を示します。
import pandas as pd
# データの作成
data = pd.Series([20, 22, 25, 27, 21, 23, 37, 31, 61, 45, 41, 32])
# ビンの境界値を定義
bins = [18, 25, 35, 60, 100]
# cut関数を使用してビン分割
categories = pd.cut(data, bins)
print(categories)
このコードを実行すると、以下のような出力が得られます。
0 (18, 25]
1 (18, 25]
2 (18, 25]
3 (25, 35]
4 (18, 25]
5 (18, 25]
6 (35, 60]
7 (25, 35]
8 (60, 100]
9 (35, 60]
10 (35, 60]
11 (25, 35]
dtype: category
Categories (4, interval[int64]): [(18, 25] < (25, 35] < (35, 60] < (60, 100]]
この出力から、各データがどのビンに属するかが一目でわかります。このように、pandasのcut
関数を使用すると、データを任意のビンに分割し、それぞれのデータがどのビンに属するかを簡単に判断することができます。これは、データの分布を理解したり、特徴量エンジニアリングを行ったりする際に非常に便利です。この関数を使いこなすことで、より深いデータ分析が可能になります。次のセクションでは、さらに詳細な使用例を見ていきましょう。